2018年12月1日土曜日

現代都市政策研究会2018年12月例会案内


テーマエネルギー問題の現状と課題~なぜ、地域からガソリンスタンドが消えていくのか~

講師   平田 泰之氏(JXTGエネルギー株式会社)



災害時、水の次に不足して困るものは『ガソリン』であると言われています。東日大震災以降、災害時のサービスステーション(SS・ガソリンスタンド)の役割は一層注目されるようになってきました。しかし資源エネルギー庁等が取りまとめた『SS過疎地対策ハンドブック』によれば、およそ300の自治体が SS過疎地であると定義されており、それらの自治体では様々な問題が懸念されています。
例会では、昨今のエネルギーを取り巻く世界的な環境とそれが日本に与える影響を踏まえ、日本における石油事業の環境や、なぜSSが過疎化するのか・その解決策としてどのような事例があるのかについてお話ししたいと考えています。そしてSS過疎地対策の事例を通じて、集落地域の生活を支える新しい地域運営の仕組みを作ろうとする取組みである「小さな拠点」づくりにSSがどのように寄与できるかについて考えていきます。

(平田泰之)

現代都市政策研究会2018年12月例会案内


テーマエネルギー問題の現状と課題~なぜ、地域からガソリンスタンドが消えていくのか~

講師   平田 泰之氏(JXTGエネルギー株式会社)



災害時、水の次に不足して困るものは『ガソリン』であると言われています。東日大震災以降、災害時のサービスステーション(SS・ガソリンスタンド)の役割は一層注目されるようになってきました。しかし資源エネルギー庁等が取りまとめた『SS過疎地対策ハンドブック』によれば、およそ300の自治体が SS過疎地であると定義されており、それらの自治体では様々な問題が懸念されています。
例会では、昨今のエネルギーを取り巻く世界的な環境とそれが日本に与える影響を踏まえ、日本における石油事業の環境や、なぜSSが過疎化するのか・その解決策としてどのような事例があるのかについてお話ししたいと考えています。そしてSS過疎地対策の事例を通じて、集落地域の生活を支える新しい地域運営の仕組みを作ろうとする取組みである「小さな拠点」づくりにSSがどのように寄与できるかについて考えていきます。

(平田泰之)

2018年11月11日日曜日

現代都市政策研究会2018年度高知合宿報告


都市研高知合宿報告

高知合宿を11月2日()~4日()の2泊3日で行いました。

参加者は4名。地元の石川貴洋さん(NPO法人環境の杜こうち・元ねりままちづくりセンター所長)に車で2日間、車でご案内頂き、とても充実した合宿となりました。石川さんには感謝です。



行程と訪問先

行程と訪問先は以下の通りです。

.11月2日()

羽田発8:35分(ANA561便)→高知竜馬空港着10:05分→NPO法人アテラーノ旭ヒヤリング上町食堂で昼食石川さんのNPO法人環境の杜こうちの事務所に立ち寄り高知市市民活動サポートセンターヒヤリング桂浜の散策途中津波避難施設見学市内に戻り藁倉庫をリノベーションした藁工を見学高知パレスホテル着市内「旬菜やあんぐら」にて懇親会(石川さんご夫妻、アテラーノ旭の総務室 渡辺克志さん、環境省四国環境パートナーシップオフィス内田洋子さんの8名)

.11月3日()

早朝、路面電車で港町散策高知パレスホテル9:00発、午前中、環境省四国環境パートナーシップオフィス内田洋子さんの案内で物部川流域の環境保全活動()を視察(物部川杉田ダム、田んぼへの利水の状況、鹿の食害、河口の物部川が閉河した状況と工事で土砂を取り除いている現場など)→土佐山田ショッピングセンター「バリューノア」へ立ち寄り(地産地消に熱心で品揃えも豊富、物部川の環境保全活動にも寄与しているスーパーマーケット)→昼食「湖畔游」内田さんと分かれて、午後は仁淀ブルーと呼ばれる仁淀川流域へ途中、佐川のまち歩き(酒蔵の並ぶ街並みがあります)→沈下橋を見学屋形船乗船市内に戻り、高知パレスホテル着懇親会。そしてホテルへ戻り解散。

.11月4日()

高知パレスホテル8:00発、追手筋で開かれる日曜市を見物しながら高知城へ高知パレスホテルに戻り、荷物を受け取り、バスで高知竜馬空港へ移動飛行場内レストランで昼食高知竜馬空港発13:35発(ANA566便)→羽田着14:50着 解散



訪問先ヒヤリング概要と感想

.NPO法人アテラーノ旭

(1)ヒヤリング者 理事長 山中雅子さん、総務室 渡辺克志さん 

(2)アテラーノ旭の事業概要http://www.aterano.net/

「アテラーノ」とは土佐弁で「わたしたちの」という意味で、地域で安心してい暮らせるように、高知市西部で配食サービス、暮らしの相談、訪問助け合い、まちのお茶の間、地域づくりを行っている団体です。

(3)ヒヤリングでは、アテラーノ旭が、旭まちの銭湯が廃業をきっかけに、存続する会の発足、結果として旭入浴デイサービスの実現、アテラーノ旭の設立、緊急雇用対策が目的でとして高知市から「あったかふれあい事業」を受託。アテラーノ旭と並行して「アテラーノ旭手だすけ事業部」を設立し、事業を拡大。「あったかふれあい事業」廃止とともに、自立運営のために不採算部門の廃止や売り上げを伸ばす活動を行い、現在に至っているという説明がありました。

(4)質疑の中では、理事長の山中さんは、昭和47年に立ち上げた無認可保育園の園長を25年勤め、アテラーノ旭の活動には、保育園を卒業した子どもたちが応援してくれたこと、総務室の渡辺さんはまちづくりの仕事をしており、アテラーノ旭の活動を支えたこと。地域包括のケアマネとは、配食サービスを通じて日常の気づきを伝えていること。昼夜で140食の配食。車の経費もかさむ。使い捨ての容器は使わず、風呂敷に弁当を包んで配食。財政的には厳しいが高齢者の立場を考えると弁当の値上げはできない。やっていてよかったことは、アテラーノ旭に関わってくれる人が働いて元気になってくれていること。問題解決をするには、色々な人がつながることが大事。アテラーノ旭は介護保険で手の届かない部分をカバーしている。我々が動きやすいように自治体は条件を整えてほしいとのことでした。

(5)地域から銭湯が無くなることから活動がはじまり、行政とかけあいながら事業を展開し、さらに助成金が打ち切られることで事業の見直しを図りながらも配食サービスの質を落とさない(手間をいとわない)ず、また見守り活動等にもつなげ、地域住民が福祉サービスの狭間からこぼれ落ちない活動をされているなど、活動への思いとそのご苦労には、頭が下がる思いで伺いました。



.高知市市民活動サポートセンター

(1)ヒヤリング者 認定非営利活動法人 NPO高知市民会議 事務局長 田中佐和子さん

(2)高知市市民活動サポートセンターの事業概要http://www.kochi-saposen.net/

(3)ヒヤリングでは、サポートセンターは1999年4月に設立されていること。公設民営でオープンし、運営はNPO高知市民会議が担い、2006年からは指定管理者として運営しているとのこと。住民自治、市民自治を担う市民が育ち、自主・自立のまちづくりに寄与することを目指し、事業としては、相談・アドバイス事業、広報・啓発事業、人材育成事業、調査研究事業、まちづくりファンドの運営などを行っていること。運営は、月一回の理事会とサポートセンター運営委員会で行われ、事業は担当理事と事務局で企画、実施にあたっては、会員や一般から運営スタッフを募集し進めているとのことでした。

(4)高知市では、市民参加条例の先駆けとして「高知市市民と行政のパートナーシップのまちづくり条例」があり、このセンターも条例の根拠に基づき設立されたものであり、また、その条例には、市の役割として、「市は市民等とパートナーシップを築いて地域のまちづくりを進めるため、市民等の意見を反映してコミュニティ計画を策定する」とされ、また、条例には、条例の見守り委員会の設置も規定されているため、自ずとコミュニティ計画や見守り委員会などの運用状況等に話題が向きました。

(5)田中さん自身は、県の初めての支援員制度で高知市に出向、「高知市市民と行政のパートナーシップのまちづくり条例」の制定にもかかわったとのこと。今は県職員を辞め、NPO高知市民会議の職員になっているとのこと。

(6)田中さんご自身が県職員として高知市に来られ、また、今は事務局長として務められ(現職で県職員を辞めるのはすごい勇気のいることだと思います)、立場の違いから様々なことでご苦労されながら仕事されているお話を伺い、   様々な立場の違いを経験をされているからこそ、物事を多面的に見られる存在になっているのではないかと感じさせられました。また、先進的に取り組まれた、市民と行政のパートナーシップ条例についても、長く運用される中で、行政の姿勢がその条例の活かし方に変化を与えることも学ばせてもらいました。

.物部川流域環境保全活動

(1)視察内容 杉田ダム、田んぼへの利水の状況、鹿の食害、河口の物部川が閉河した状況と工事で土砂を取り除いている現場、土佐山田ショッピングセンター「バリューノア」 

(2)案内者 環境省四国環境パートナーシップオフィス内田洋子さん

(3)環境省四国環境パートナーシップオフィスhttp://4epo.jp/ 四国EPOは環境省がNPOに管理運営等委託を行い、協働で運営されています。

(4)高知には、四万十川、仁淀川、物部川の3河川があります。物部川には3つのダムや利水等の関係もあり、川の流れが緩く、そのため台風などの影響で海に流れ込む河口が閉河してしまい流れが止まり、鮎が遡上できない環境にもなってしまっています。内田さん曰く、物部川の環境保全活動に関わっている方からは、四万十川、仁淀川は川がきれいで優等生。出来の悪い物部川ほどかわいいとのこと。

(5)ダムの建設、川の取水、河口の閉河、森林の鹿の害など様々な要因が河川環境に大きな影響を与えていること。だからこそ様々な団体がネットワークを組んで問題に取り組んでいかなければならないことが理解でき、また、土佐山田ショッピングセンターの取り組み等、地域には様々な方がおり、地域を支えていることも発見させていただきました


現代都市政策研究会2018年度高知合宿報告


都市研高知合宿報告

高知合宿を11月2日()~4日()の2泊3日で行いました。

参加者は4名。地元の石川貴洋さん(NPO法人環境の杜こうち・元ねりままちづくりセンター所長)に車で2日間、車でご案内頂き、とても充実した合宿となりました。石川さんには感謝です。



行程と訪問先

行程と訪問先は以下の通りです。

.11月2日()

羽田発8:35分(ANA561便)→高知竜馬空港着10:05分→NPO法人アテラーノ旭ヒヤリング上町食堂で昼食石川さんのNPO法人環境の杜こうちの事務所に立ち寄り高知市市民活動サポートセンターヒヤリング桂浜の散策途中津波避難施設見学市内に戻り藁倉庫をリノベーションした藁工を見学高知パレスホテル着市内「旬菜やあんぐら」にて懇親会(石川さんご夫妻、アテラーノ旭の総務室 渡辺克志さん、環境省四国環境パートナーシップオフィス内田洋子さんの8名)

.11月3日()

早朝、路面電車で港町散策高知パレスホテル9:00発、午前中、環境省四国環境パートナーシップオフィス内田洋子さんの案内で物部川流域の環境保全活動()を視察(物部川杉田ダム、田んぼへの利水の状況、鹿の食害、河口の物部川が閉河した状況と工事で土砂を取り除いている現場など)→土佐山田ショッピングセンター「バリューノア」へ立ち寄り(地産地消に熱心で品揃えも豊富、物部川の環境保全活動にも寄与しているスーパーマーケット)→昼食「湖畔游」内田さんと分かれて、午後は仁淀ブルーと呼ばれる仁淀川流域へ途中、佐川のまち歩き(酒蔵の並ぶ街並みがあります)→沈下橋を見学屋形船乗船市内に戻り、高知パレスホテル着懇親会。そしてホテルへ戻り解散。

.11月4日()

高知パレスホテル8:00発、追手筋で開かれる日曜市を見物しながら高知城へ高知パレスホテルに戻り、荷物を受け取り、バスで高知竜馬空港へ移動飛行場内レストランで昼食高知竜馬空港発13:35発(ANA566便)→羽田着14:50着 解散



訪問先ヒヤリング概要と感想

.NPO法人アテラーノ旭

(1)ヒヤリング者 理事長 山中雅子さん、総務室 渡辺克志さん 

(2)アテラーノ旭の事業概要http://www.aterano.net/

「アテラーノ」とは土佐弁で「わたしたちの」という意味で、地域で安心してい暮らせるように、高知市西部で配食サービス、暮らしの相談、訪問助け合い、まちのお茶の間、地域づくりを行っている団体です。

(3)ヒヤリングでは、アテラーノ旭が、旭まちの銭湯が廃業をきっかけに、存続する会の発足、結果として旭入浴デイサービスの実現、アテラーノ旭の設立、緊急雇用対策が目的でとして高知市から「あったかふれあい事業」を受託。アテラーノ旭と並行して「アテラーノ旭手だすけ事業部」を設立し、事業を拡大。「あったかふれあい事業」廃止とともに、自立運営のために不採算部門の廃止や売り上げを伸ばす活動を行い、現在に至っているという説明がありました。

(4)質疑の中では、理事長の山中さんは、昭和47年に立ち上げた無認可保育園の園長を25年勤め、アテラーノ旭の活動には、保育園を卒業した子どもたちが応援してくれたこと、総務室の渡辺さんはまちづくりの仕事をしており、アテラーノ旭の活動を支えたこと。地域包括のケアマネとは、配食サービスを通じて日常の気づきを伝えていること。昼夜で140食の配食。車の経費もかさむ。使い捨ての容器は使わず、風呂敷に弁当を包んで配食。財政的には厳しいが高齢者の立場を考えると弁当の値上げはできない。やっていてよかったことは、アテラーノ旭に関わってくれる人が働いて元気になってくれていること。問題解決をするには、色々な人がつながることが大事。アテラーノ旭は介護保険で手の届かない部分をカバーしている。我々が動きやすいように自治体は条件を整えてほしいとのことでした。

(5)地域から銭湯が無くなることから活動がはじまり、行政とかけあいながら事業を展開し、さらに助成金が打ち切られることで事業の見直しを図りながらも配食サービスの質を落とさない(手間をいとわない)ず、また見守り活動等にもつなげ、地域住民が福祉サービスの狭間からこぼれ落ちない活動をされているなど、活動への思いとそのご苦労には、頭が下がる思いで伺いました。



.高知市市民活動サポートセンター

(1)ヒヤリング者 認定非営利活動法人 NPO高知市民会議 事務局長 田中佐和子さん

(2)高知市市民活動サポートセンターの事業概要http://www.kochi-saposen.net/

(3)ヒヤリングでは、サポートセンターは1999年4月に設立されていること。公設民営でオープンし、運営はNPO高知市民会議が担い、2006年からは指定管理者として運営しているとのこと。住民自治、市民自治を担う市民が育ち、自主・自立のまちづくりに寄与することを目指し、事業としては、相談・アドバイス事業、広報・啓発事業、人材育成事業、調査研究事業、まちづくりファンドの運営などを行っていること。運営は、月一回の理事会とサポートセンター運営委員会で行われ、事業は担当理事と事務局で企画、実施にあたっては、会員や一般から運営スタッフを募集し進めているとのことでした。

(4)高知市では、市民参加条例の先駆けとして「高知市市民と行政のパートナーシップのまちづくり条例」があり、このセンターも条例の根拠に基づき設立されたものであり、また、その条例には、市の役割として、「市は市民等とパートナーシップを築いて地域のまちづくりを進めるため、市民等の意見を反映してコミュニティ計画を策定する」とされ、また、条例には、条例の見守り委員会の設置も規定されているため、自ずとコミュニティ計画や見守り委員会などの運用状況等に話題が向きました。

(5)田中さん自身は、県の初めての支援員制度で高知市に出向、「高知市市民と行政のパートナーシップのまちづくり条例」の制定にもかかわったとのこと。今は県職員を辞め、NPO高知市民会議の職員になっているとのこと。

(6)田中さんご自身が県職員として高知市に来られ、また、今は事務局長として務められ(現職で県職員を辞めるのはすごい勇気のいることだと思います)、立場の違いから様々なことでご苦労されながら仕事されているお話を伺い、   様々な立場の違いを経験をされているからこそ、物事を多面的に見られる存在になっているのではないかと感じさせられました。また、先進的に取り組まれた、市民と行政のパートナーシップ条例についても、長く運用される中で、行政の姿勢がその条例の活かし方に変化を与えることも学ばせてもらいました。

.物部川流域環境保全活動

(1)視察内容 杉田ダム、田んぼへの利水の状況、鹿の食害、河口の物部川が閉河した状況と工事で土砂を取り除いている現場、土佐山田ショッピングセンター「バリューノア」 

(2)案内者 環境省四国環境パートナーシップオフィス内田洋子さん

(3)環境省四国環境パートナーシップオフィスhttp://4epo.jp/ 四国EPOは環境省がNPOに管理運営等委託を行い、協働で運営されています。

(4)高知には、四万十川、仁淀川、物部川の3河川があります。物部川には3つのダムや利水等の関係もあり、川の流れが緩く、そのため台風などの影響で海に流れ込む河口が閉河してしまい流れが止まり、鮎が遡上できない環境にもなってしまっています。内田さん曰く、物部川の環境保全活動に関わっている方からは、四万十川、仁淀川は川がきれいで優等生。出来の悪い物部川ほどかわいいとのこと。

(5)ダムの建設、川の取水、河口の閉河、森林の鹿の害など様々な要因が河川環境に大きな影響を与えていること。だからこそ様々な団体がネットワークを組んで問題に取り組んでいかなければならないことが理解でき、また、土佐山田ショッピングセンターの取り組み等、地域には様々な方がおり、地域を支えていることも発見させていただきました


現代都市政策研究会2018年9月例会感想


医療・介護の連携の問題から、自治体の課題を考えるきっかけに


                                   I .   T.

・現場は知らない2025年問題

 今回、古都さんから冒頭で団塊の世代800万人が75歳の後期高齢者になる2025年以降は、より医療・介護の需要が増してくるという、あまり聞きたくないような現実を聞きました。医療や介護の現場の職員・自治体職員は、薄々感じてはいても、現在でさえ日々の目の前の課題に対応するので精一杯で、余裕のない状態なのが現実ではと思います。ただ、2025年はあと6年ほど。あっという間に来てしまう時間です。

・自治体が今後求められる課題は

 古都さんからは、医療・介護の需要増加に対して基本の視点や様々な解決案も提示していただきました。特に印象的だったのは、「介護や医療の利用者の立場から、利用者の生活全般をどう見ていくかという視点が重要」ということでした。医療費の削減のためとはいえ、利用者にとっては本来当たり前のことが、結局は大事なことなのです。

 振り返って自治体はどうでしょうか。古都さんによれば、自治体職員は以前にもまして地域での調整役になることが求められるとのこと。その話を聞いて、例えば自分の所属する自治体の実情を考えてみると、まだ多くの課題があるなと改めて感じました。医療・介護の需要の増加はもう待ったなしです。利用者の生活全般を考慮しつつ、地域での調整役になれる力量を持った職員が現状より少しでも増えるよう、各自治体ができることからやっていくべきと思いました。

現代都市政策研究会2018年9月例会感想


医療・介護の連携の問題から、自治体の課題を考えるきっかけに


                                   I .   T.

・現場は知らない2025年問題

 今回、古都さんから冒頭で団塊の世代800万人が75歳の後期高齢者になる2025年以降は、より医療・介護の需要が増してくるという、あまり聞きたくないような現実を聞きました。医療や介護の現場の職員・自治体職員は、薄々感じてはいても、現在でさえ日々の目の前の課題に対応するので精一杯で、余裕のない状態なのが現実ではと思います。ただ、2025年はあと6年ほど。あっという間に来てしまう時間です。

・自治体が今後求められる課題は

 古都さんからは、医療・介護の需要増加に対して基本の視点や様々な解決案も提示していただきました。特に印象的だったのは、「介護や医療の利用者の立場から、利用者の生活全般をどう見ていくかという視点が重要」ということでした。医療費の削減のためとはいえ、利用者にとっては本来当たり前のことが、結局は大事なことなのです。

 振り返って自治体はどうでしょうか。古都さんによれば、自治体職員は以前にもまして地域での調整役になることが求められるとのこと。その話を聞いて、例えば自分の所属する自治体の実情を考えてみると、まだ多くの課題があるなと改めて感じました。医療・介護の需要の増加はもう待ったなしです。利用者の生活全般を考慮しつつ、地域での調整役になれる力量を持った職員が現状より少しでも増えるよう、各自治体ができることからやっていくべきと思いました。

2018年9月26日水曜日

現代都市政策研究会2018年9月例会案内


テーマ「医療、介護の連携を考える」

講師  古都賢一氏(独立行政法人国立病院機構副理事長)

 

高齢者が住み慣れた町で暮らしたいと思うのは、切実で自然な要望だ。そのためには、自分が健康であると同時に、心地いい人と人の関係が地域に必要となる。高齢者福祉、地域福祉、健康福祉、障害者福祉が一体となって取り組む支えあいのテーマだ。

高齢者福祉の介護予防事業を推進する地域包括支援センターが新たな課題として「地域生活支援総合事業」として介護予防事業を展開しているのはこの考えによる。

一方でかかりつけ医、2次医療機関、3次医療機関と病院も多層な配置がされており、健康を支えているが、在宅に戻ってからのことがはっきりしないと、特に高齢者にとって退院は難しい。年齢を重ねれば健康維持に時間と手間がかかり、在宅医療と介護の連携が不可欠となる。在宅と施設、病院、薬局、介護事業者が専門機関として協力し、市民との支えあいもある地域社会へむけて、今後の展望も含め国のスーパー職員である古都さんにお話を伺う。

 (文責 大石田)



1.日時 2018年(平成30年)9月30日()午後2時~午後430



2.場所 三鷹駅前コミュニティーセンター4階会議室()

現代都市政策研究会2018年9月例会案内


テーマ「医療、介護の連携を考える」

講師  古都賢一氏(独立行政法人国立病院機構副理事長)

 

高齢者が住み慣れた町で暮らしたいと思うのは、切実で自然な要望だ。そのためには、自分が健康であると同時に、心地いい人と人の関係が地域に必要となる。高齢者福祉、地域福祉、健康福祉、障害者福祉が一体となって取り組む支えあいのテーマだ。

高齢者福祉の介護予防事業を推進する地域包括支援センターが新たな課題として「地域生活支援総合事業」として介護予防事業を展開しているのはこの考えによる。

一方でかかりつけ医、2次医療機関、3次医療機関と病院も多層な配置がされており、健康を支えているが、在宅に戻ってからのことがはっきりしないと、特に高齢者にとって退院は難しい。年齢を重ねれば健康維持に時間と手間がかかり、在宅医療と介護の連携が不可欠となる。在宅と施設、病院、薬局、介護事業者が専門機関として協力し、市民との支えあいもある地域社会へむけて、今後の展望も含め国のスーパー職員である古都さんにお話を伺う。

 (文責 大石田)



1.日時 2018年(平成30年)9月30日()午後2時~午後430



2.場所 三鷹駅前コミュニティーセンター4階会議室()

現代都市政策研究会2018年7月例会感想


一筋縄ではいかない現実

T.     M.    



都市研7月例会では、『いわゆる「ごみ屋敷条例」の制定・運用の実態と課題~自治体のごみ屋敷対策の動向から~』をテーマに、出石 稔さん(関東学院大学法学部教授・関東学院大学副学長)にお話を伺いました。

出石さんからは、「ごみ屋敷」という言葉は百科事典にも載るようになり、最近の社会現象になっている。ごみ屋敷問題は本人の意思とは別に、(1)近隣住民への影響など住環境の問題(2)防犯・防災上の問題(3)景観破壊などまちづくり上の問題などから条例を制定する立法事実が存在し、条例による財産権の制限を合憲とした「奈良県ため池条例」判決を契機に、ごみ屋敷問題についても大都市を中心に条例が制定され、対策が取られるようになった。条例制定にあたっては、京都市や横浜市のように、福祉的な視点を条例に加え、運用において成果が出てきている自治体もあるとのことでした。

私自身は、現在、社会福祉協議会に籍を置いていることから、地域福祉の観点から、「ごみ屋敷問題は制度の狭間の問題」、個別支援だけではなくCSW(コミュニティー・ソシャー・ワーカー)が地域住民も巻き込んで、どう地域の問題として解決を図るかが大きな課題と捉えていました。

出石さんも、「ごみ屋敷問題は、法の空間にあって制度の狭間にある問題」であり、ごみ屋敷条例(対策)の展望として、(1)適正な管理と(2)支援等における福祉的対応(3)地域との協働の三位一体取り組みが不可欠と指摘されていたことに、共感を覚えました。

とはいえ、今年4月に施行された横須賀市のごみ屋敷条例に基づき、8月に県内初の行政代執行が行われたというニュースに触れ、一筋縄ではいかない問題でもあるなとも感じたところです。

現代都市政策研究会2018年7月例会感想


一筋縄ではいかない現実

T.     M.    



都市研7月例会では、『いわゆる「ごみ屋敷条例」の制定・運用の実態と課題~自治体のごみ屋敷対策の動向から~』をテーマに、出石 稔さん(関東学院大学法学部教授・関東学院大学副学長)にお話を伺いました。

出石さんからは、「ごみ屋敷」という言葉は百科事典にも載るようになり、最近の社会現象になっている。ごみ屋敷問題は本人の意思とは別に、(1)近隣住民への影響など住環境の問題(2)防犯・防災上の問題(3)景観破壊などまちづくり上の問題などから条例を制定する立法事実が存在し、条例による財産権の制限を合憲とした「奈良県ため池条例」判決を契機に、ごみ屋敷問題についても大都市を中心に条例が制定され、対策が取られるようになった。条例制定にあたっては、京都市や横浜市のように、福祉的な視点を条例に加え、運用において成果が出てきている自治体もあるとのことでした。

私自身は、現在、社会福祉協議会に籍を置いていることから、地域福祉の観点から、「ごみ屋敷問題は制度の狭間の問題」、個別支援だけではなくCSW(コミュニティー・ソシャー・ワーカー)が地域住民も巻き込んで、どう地域の問題として解決を図るかが大きな課題と捉えていました。

出石さんも、「ごみ屋敷問題は、法の空間にあって制度の狭間にある問題」であり、ごみ屋敷条例(対策)の展望として、(1)適正な管理と(2)支援等における福祉的対応(3)地域との協働の三位一体取り組みが不可欠と指摘されていたことに、共感を覚えました。

とはいえ、今年4月に施行された横須賀市のごみ屋敷条例に基づき、8月に県内初の行政代執行が行われたというニュースに触れ、一筋縄ではいかない問題でもあるなとも感じたところです。

2018年7月28日土曜日

現代都市政策研究会2018年7月例会案内


テーマ「ごみ屋敷対策を考える~政策法務と実践の両論から~」

講師  出石 稔氏(関東学院法学部教授)



ごみ屋敷は、社会的孤立の象徴とも言われています。そんなごみ屋敷が最近増えています。

伺ってみると、ごみ屋敷の住人には、高齢で体力が弱ったり、身体や精神、知的に障害があったりする人もいます。また親しい家族を亡くした喪失感から心の時計が止まってしまい、片付けができなくなる人もいます。単に「汚いから片づけなさい」だけでは済まない複合的な課題を抱えている方が多くいます。

「制度の狭間」の問題として地域で生きづらさを感じている方々を地域住民とともにどのように解決していくことができるか、地域福祉の大きな課題でもあります。

自治体によっては、コミュニティーソーシャルワーカー(CSW)を配置し、ごみ屋敷問題をはじめ様々な課題に取り組んでいるところもあります。

都市研7月例会では、横浜市と横須賀市のごみ屋敷対策審議会の会長・委員長を務めている出石 稔氏に政策法務と実践の両論からごみ屋敷対策についてお話を伺います。

(文責 室地)



1.日時 2018年(平成30年)7月29日()午後2時~午後430



2.場所 三鷹駅前コミュニティーセンター4階会議室()

現代都市政策研究会2018年7月例会案内


テーマ「ごみ屋敷対策を考える~政策法務と実践の両論から~」

講師  出石 稔氏(関東学院法学部教授)



ごみ屋敷は、社会的孤立の象徴とも言われています。そんなごみ屋敷が最近増えています。

伺ってみると、ごみ屋敷の住人には、高齢で体力が弱ったり、身体や精神、知的に障害があったりする人もいます。また親しい家族を亡くした喪失感から心の時計が止まってしまい、片付けができなくなる人もいます。単に「汚いから片づけなさい」だけでは済まない複合的な課題を抱えている方が多くいます。

「制度の狭間」の問題として地域で生きづらさを感じている方々を地域住民とともにどのように解決していくことができるか、地域福祉の大きな課題でもあります。

自治体によっては、コミュニティーソーシャルワーカー(CSW)を配置し、ごみ屋敷問題をはじめ様々な課題に取り組んでいるところもあります。

都市研7月例会では、横浜市と横須賀市のごみ屋敷対策審議会の会長・委員長を務めている出石 稔氏に政策法務と実践の両論からごみ屋敷対策についてお話を伺います。

(文責 室地)



1.日時 2018年(平成30年)7月29日()午後2時~午後430



2.場所 三鷹駅前コミュニティーセンター4階会議室()

現代都市政策研究会2018年6月例会感想


ランダムサンプリング

M.  O. 



  都市研6月例会のテーマはランダムサンプリング。三鷹発の新しい市民参加の手法として実験的に導入されたものだ。三鷹JCの吉田さんが大規模ワークショップの計画つくりの次の一手として行政に話をもちかけ、当時の市長、副市長がその話にのったのだ。

  三鷹の市民参加の手法はコミュニティカルテ、まちづくりプラン、まちづくり懇談会、まちづくり市民会議と大規模ワークショップと続いたが、問題の本質は市民の要望を受け止められたのかという点にある。市民参加を制度として機能させるため、目新しさと「市民はすばらしい」という幻想を用意したのではないか。あるいは実は行政の名誉作りだったのかも知れない。

  結果としては、「こどもの安全」のような大きなテーマで差しさわりのない協議を年に1回実施しており、熟議とは程遠い状況が続いている。多層な市民参加の手法の一つとして、多くの自治体がトライし、工夫をしてほしい手法ではあるが大切なことはそれを生かす行政の姿勢だ。

  長野先生は自治体学会編集部会で一緒に学会誌作成を手がけていた好人物で若くてこれからの学者だ。是非この手法をほんものの市民参加として全国に広め、サイレントマジョリティも参加する行政へと改善を進めてほしい。

  市民はすばらしいのではない。市民は主人公であり、評価すべき対象ではないことは付言しておきたい。特定の地域の市民がすばらしいのではないからだ。

現代都市政策研究会2018年6月例会感想


ランダムサンプリング

M.  O. 



  都市研6月例会のテーマはランダムサンプリング。三鷹発の新しい市民参加の手法として実験的に導入されたものだ。三鷹JCの吉田さんが大規模ワークショップの計画つくりの次の一手として行政に話をもちかけ、当時の市長、副市長がその話にのったのだ。

  三鷹の市民参加の手法はコミュニティカルテ、まちづくりプラン、まちづくり懇談会、まちづくり市民会議と大規模ワークショップと続いたが、問題の本質は市民の要望を受け止められたのかという点にある。市民参加を制度として機能させるため、目新しさと「市民はすばらしい」という幻想を用意したのではないか。あるいは実は行政の名誉作りだったのかも知れない。

  結果としては、「こどもの安全」のような大きなテーマで差しさわりのない協議を年に1回実施しており、熟議とは程遠い状況が続いている。多層な市民参加の手法の一つとして、多くの自治体がトライし、工夫をしてほしい手法ではあるが大切なことはそれを生かす行政の姿勢だ。

  長野先生は自治体学会編集部会で一緒に学会誌作成を手がけていた好人物で若くてこれからの学者だ。是非この手法をほんものの市民参加として全国に広め、サイレントマジョリティも参加する行政へと改善を進めてほしい。

  市民はすばらしいのではない。市民は主人公であり、評価すべき対象ではないことは付言しておきたい。特定の地域の市民がすばらしいのではないからだ。

2018年6月3日日曜日

都市研2018年6月例会案内


テーマ「市民の熟議を自治体意思決定に活かせるか~さいたま市・和光市・新宿等の経験から~」

講師     長野 基氏(首都大学東京都市環境科学研究科都市政策科学域准教授)



有力団体の「指定席」でも、作文による審査を経た公募型でもない、住民基本台帳からの無作為抽出と招聘により集った市民の「熟議」を自治体の意思決定に活用しようとする取組みが拡大しています。しかも、“市民の熟議”を「やってみる」から、自治体の意思決定にどれだけ「影響を与える」かが問われる段階に来ているともいえます。

しかし、こうした取り組みを行っては見たものの、実際には「あれは意味があったのか?」と様々な意味で疑問を生じさせる場合も存在するのではないでしょうか。仮に「市民による熟議」を自治体の意思決定に活かそうとしてうまく行かなかったと認識されるのであれば、そこには何らかの原因、あるいはそれを導いてしてしまった構造があるはずです。

今回の企画では、報告者が企画運営に携わった住民基本台帳からの無作為抽出によるメンバーが組織化された事例(埼玉県さいたま市・和光市、東京都新宿区)での質的分析データ、事例関係者へのヒアリング調査データを見ながら、どのようにすれば「市民の熟議を自治体意思決定に活かせるか」を参加者の皆さんと“熟議”しながら考えてゆきたいと思います。(長野 基氏)



1.日時 2018年(平成30年)6月24日()午後2時~午後430

2.場所 三鷹駅前コミュニティセンター4階会議室()

都市研2018年6月例会案内


テーマ「市民の熟議を自治体意思決定に活かせるか~さいたま市・和光市・新宿等の経験から~」

講師     長野 基氏(首都大学東京都市環境科学研究科都市政策科学域准教授)



有力団体の「指定席」でも、作文による審査を経た公募型でもない、住民基本台帳からの無作為抽出と招聘により集った市民の「熟議」を自治体の意思決定に活用しようとする取組みが拡大しています。しかも、“市民の熟議”を「やってみる」から、自治体の意思決定にどれだけ「影響を与える」かが問われる段階に来ているともいえます。

しかし、こうした取り組みを行っては見たものの、実際には「あれは意味があったのか?」と様々な意味で疑問を生じさせる場合も存在するのではないでしょうか。仮に「市民による熟議」を自治体の意思決定に活かそうとしてうまく行かなかったと認識されるのであれば、そこには何らかの原因、あるいはそれを導いてしてしまった構造があるはずです。

今回の企画では、報告者が企画運営に携わった住民基本台帳からの無作為抽出によるメンバーが組織化された事例(埼玉県さいたま市・和光市、東京都新宿区)での質的分析データ、事例関係者へのヒアリング調査データを見ながら、どのようにすれば「市民の熟議を自治体意思決定に活かせるか」を参加者の皆さんと“熟議”しながら考えてゆきたいと思います。(長野 基氏)



1.日時 2018年(平成30年)6月24日()午後2時~午後430

2.場所 三鷹駅前コミュニティセンター4階会議室()

都市研2018年5月例会感想


「悩みが人を成長させる」

H.     S.    

岡田さんから、今日、初めて港湾行政のお話を聞くことができました。

東日本大震災のあと、燃料を節約するために照明の明るさを落として、トンネルの通行を確保したことなど、たんたんとお話しされましたが、ドラマになりそうなことだと思いました。

また、自治体でありながら、港湾は世界とつながっているなと思いました。私たちが日ごろやっている地域の事だけでなく広がりがあります。

その1つは、釜山(プサン)、上海、そしてシンガポールなど世界の有力港湾と競合していること。そして、もう1つには、日本の生産構造の変化に大きく影響されているのだと知りました。

前者では、釜山などは国策としてハブ港の位置をとるためにやっています。それに川崎だけで立ち向かうのは大変だという実感があります。後者はもっと根本的で、日本から海外に生産したものを輸出するという構造は大きく変わってきています。例えば、そうした生産拠点や工場が海外に行ってしまったこともあります。同時に、少子化の進む日本では、以前と同じ商品で生産力を保つのも難しい。

自治体なのにそんなことまで考えてやるというのは悩ましい。でも、岡田さんは港湾部署で楽しい時期を過ごしたと言っています。本当に悩みが人を成長させるのだなと感心しました。

最後に、岡田さんが、これからの日本の人口減少や生産の傾向を考えて、どういう範囲で港湾の仕事を組み立てるかが大事だといったのは、まさに地方分権からの視点だと思いました。国策に振り回されず、地に足のついた議論を聞けてよかったです。


都市研2018年5月例会感想


「悩みが人を成長させる」

H.     S.    

岡田さんから、今日、初めて港湾行政のお話を聞くことができました。

東日本大震災のあと、燃料を節約するために照明の明るさを落として、トンネルの通行を確保したことなど、たんたんとお話しされましたが、ドラマになりそうなことだと思いました。

また、自治体でありながら、港湾は世界とつながっているなと思いました。私たちが日ごろやっている地域の事だけでなく広がりがあります。

その1つは、釜山(プサン)、上海、そしてシンガポールなど世界の有力港湾と競合していること。そして、もう1つには、日本の生産構造の変化に大きく影響されているのだと知りました。

前者では、釜山などは国策としてハブ港の位置をとるためにやっています。それに川崎だけで立ち向かうのは大変だという実感があります。後者はもっと根本的で、日本から海外に生産したものを輸出するという構造は大きく変わってきています。例えば、そうした生産拠点や工場が海外に行ってしまったこともあります。同時に、少子化の進む日本では、以前と同じ商品で生産力を保つのも難しい。

自治体なのにそんなことまで考えてやるというのは悩ましい。でも、岡田さんは港湾部署で楽しい時期を過ごしたと言っています。本当に悩みが人を成長させるのだなと感心しました。

最後に、岡田さんが、これからの日本の人口減少や生産の傾向を考えて、どういう範囲で港湾の仕事を組み立てるかが大事だといったのは、まさに地方分権からの視点だと思いました。国策に振り回されず、地に足のついた議論を聞けてよかったです。


都市研2018年度(平成30年度)総会&5月例会案内


現代都市政策研究会2018年(平成30年)度総会ならびに5月例会開催のご案内

  現代都市政策研究会総会ならびに例会を下記の通り開催いたしますのでご出席下さい。

 ■日時  2018年(平成30年)5月27日(日) 午後1時30分~4時30分

■場所  三鷹市市民協働センター1階ミーテイングルーム  

 ※会場がいつもの三鷹駅前コミセンと異なりますのでご留意ください。

() 2018年(平成30)度総会  午後1時30分~午後2時

 (議題)①都市研40周年記念事業収支報告②2017年(平成29年)度活動報告、2017年(平成29年)度決算報告③2018年(平成30年度)活動計画案、2018年度(平成30年度)予算案④2018年(平成30年)度役員選出等

 () 5月例会  午後2時~午後4時30分

テーマ「港湾行政を考える~川崎市の事例から~」

講師 岡田 実会員(川崎市幸区危機管理担当課長)

 港は、国際貿易において大きな役割を果たしていますが、市民が暮らす市街地から離れていることもあり、なかなか馴染みがありません。地方公共団体においては、都道府県や市、組合が港湾管理者となっていますが、港湾施設整備においては、国が大きな権限や予算を握っています。

 日本が抱える港の現状ですが、貨物輸送がコンテナ船中心となり、コンテナ船の大型化や船会社の統合再編が進むなかで、貿易の中心的役割を担うハブ港の地位をめぐりアジアにおける港間競争が進む中で、国の港湾政策も大きく動いています。

 この間、川崎市港湾局で9年間、京浜港(東京、横浜、川崎)の三港連携の取り組みや京浜港の港湾運営会社の設立に携わってきた経験を踏まえて、日本の港湾をめぐる国際競争・都市間競争の現状や港湾運営をめぐる国と地方公共団体の関係、さらに、港湾管理者としての公共の役割と民間の港湾運営会社の役割などについての考察をまとめ、報告します。(文責 岡田 実)

都市研2018年度(平成30年度)総会&5月例会案内


現代都市政策研究会2018年(平成30年)度総会ならびに5月例会開催のご案内

  現代都市政策研究会総会ならびに例会を下記の通り開催いたしますのでご出席下さい。

 ■日時  2018年(平成30年)5月27日(日) 午後1時30分~4時30分

■場所  三鷹市市民協働センター1階ミーテイングルーム  

 ※会場がいつもの三鷹駅前コミセンと異なりますのでご留意ください。

() 2018年(平成30)度総会  午後1時30分~午後2時

 (議題)①都市研40周年記念事業収支報告②2017年(平成29年)度活動報告、2017年(平成29年)度決算報告③2018年(平成30年度)活動計画案、2018年度(平成30年度)予算案④2018年(平成30年)度役員選出等

 () 5月例会  午後2時~午後4時30分

テーマ「港湾行政を考える~川崎市の事例から~」

講師 岡田 実会員(川崎市幸区危機管理担当課長)

 港は、国際貿易において大きな役割を果たしていますが、市民が暮らす市街地から離れていることもあり、なかなか馴染みがありません。地方公共団体においては、都道府県や市、組合が港湾管理者となっていますが、港湾施設整備においては、国が大きな権限や予算を握っています。

 日本が抱える港の現状ですが、貨物輸送がコンテナ船中心となり、コンテナ船の大型化や船会社の統合再編が進むなかで、貿易の中心的役割を担うハブ港の地位をめぐりアジアにおける港間競争が進む中で、国の港湾政策も大きく動いています。

 この間、川崎市港湾局で9年間、京浜港(東京、横浜、川崎)の三港連携の取り組みや京浜港の港湾運営会社の設立に携わってきた経験を踏まえて、日本の港湾をめぐる国際競争・都市間競争の現状や港湾運営をめぐる国と地方公共団体の関係、さらに、港湾管理者としての公共の役割と民間の港湾運営会社の役割などについての考察をまとめ、報告します。(文責 岡田 実)

都市研2018年4月例会感想




浦安の歴史を探る街歩き
                                   K.     S.

 千葉県浦安と聞くと、大方は東京ディズニーランド思う浮かべることでしょう。これは、現在の浦安のイメージであり、私達が訪れたのは過去の浦安を知るためでした。ボランティアガイド・伊藤さんの説明によれば、①浦安は漁業で栄えた漁師町であった、②浦安沖で獲れた魚介類は地元で消費する他は、江戸(東京)へ運搬・販売されていた、③地元の河川(境川)の水は飲料、食器洗い、洗濯等に使用され、文字通り地元と共存して来た、④こうした浦安を大きく変えたのは、1960年代以降の海面埋立事業、地下鉄東西線開通であり、これにより急速に市街地が拡大したとのことである。

 今回、私達が町歩きをしてみると浦安の姿は一変したが、昔を偲ばせる寺社仏閣、家並みは残されていました。また、地元の人とすれ違うと、お互いに挨拶を交わしたり、地元の高齢者の話相手になる等心温まる交流をしました。

 浦安を訪れた際には、東京ディズニーランドだけでなく、市役所庁舎前にある郷土博物館(入場無料)を視察していただきたい。ここでは、漁師町を再現した屋外施設等過去から今日に至る浦安の歴史を一目で知ることが出来る貴重な文化財が数多く展示されています。視察後は、博物館の中で営業しているレストランで郷土料理「あさりめし」(セットで税込1,100円)を食し、浦安の歴史を思い起こしていただきたい。

 最後に、浦安の地名の由来を記しておきます。旧浦安村は、1899年、当時の堀江、猫実、当代島の3つの村が合併して出来たもので「うら(海)安らかでありますように」との思いを込めて名付けられ、漁師町であったことを示すものです。浦安には他から移転して来た新住民が数多くいると思われます。こうした人達は、過去の浦安の姿、歴史をご存じないと思われます。もしそうだとしたら、今回の町歩きは浦安の新住民が知らない地元の歴史等を知る貴重な体験であったと言えます。

都市研2018年4月例会感想




浦安の歴史を探る街歩き
                                   K.     S.

 千葉県浦安と聞くと、大方は東京ディズニーランド思う浮かべることでしょう。これは、現在の浦安のイメージであり、私達が訪れたのは過去の浦安を知るためでした。ボランティアガイド・伊藤さんの説明によれば、①浦安は漁業で栄えた漁師町であった、②浦安沖で獲れた魚介類は地元で消費する他は、江戸(東京)へ運搬・販売されていた、③地元の河川(境川)の水は飲料、食器洗い、洗濯等に使用され、文字通り地元と共存して来た、④こうした浦安を大きく変えたのは、1960年代以降の海面埋立事業、地下鉄東西線開通であり、これにより急速に市街地が拡大したとのことである。

 今回、私達が町歩きをしてみると浦安の姿は一変したが、昔を偲ばせる寺社仏閣、家並みは残されていました。また、地元の人とすれ違うと、お互いに挨拶を交わしたり、地元の高齢者の話相手になる等心温まる交流をしました。

 浦安を訪れた際には、東京ディズニーランドだけでなく、市役所庁舎前にある郷土博物館(入場無料)を視察していただきたい。ここでは、漁師町を再現した屋外施設等過去から今日に至る浦安の歴史を一目で知ることが出来る貴重な文化財が数多く展示されています。視察後は、博物館の中で営業しているレストランで郷土料理「あさりめし」(セットで税込1,100円)を食し、浦安の歴史を思い起こしていただきたい。

 最後に、浦安の地名の由来を記しておきます。旧浦安村は、1899年、当時の堀江、猫実、当代島の3つの村が合併して出来たもので「うら(海)安らかでありますように」との思いを込めて名付けられ、漁師町であったことを示すものです。浦安には他から移転して来た新住民が数多くいると思われます。こうした人達は、過去の浦安の姿、歴史をご存じないと思われます。もしそうだとしたら、今回の町歩きは浦安の新住民が知らない地元の歴史等を知る貴重な体験であったと言えます。

2018年4月15日日曜日

現代都市政策研究会2018年4月例会案内


現代都市政策研究会2018年4月例会

まち歩き「浦安、漁師町を歩く」

浦安と言えば、誰でもが思い浮かべるのは、東京ディズニーリゾートをはじめ広大な埋め立て地を想像するかと思います。しかし、浦安は漁師町としての歴史も長く持っています。 昭和46年に漁業権全面放棄後、海面の埋め立てが始まりましたが、かつては、アサリやハマグリの稚貝を木更津など東京湾内の各地に出荷し、成長した貝がまた浦安に集められ出荷されるなど多くの船が係留され魚介類の荷揚げの光景が見られ、賑わったまちでもあります。都市研4月例会では、浦安のボランティアガイドの方にご案内を頂き、古き漁師町の風情を感じてもらいたく、まち歩きを企画しました。そして、まち歩きの最後は浦安の郷土料理「あさりめし」も食べたいと思います。是非、ご参加ください。

 (文責 室地隆彦)



.日時 2018年(平成30年)4月22日() 10:00~13:30頃までを予定 なお、終了後、都市研運営員会を開催し、例会企画等の打ち合わせを行います。

  ※雨天決行

*当日何かありましたら、ご連絡は室地までお願い致します。(080-5403-2485

.集合場所 東京メトロ東西線浦安駅改札口 9:50集合(10:00出発)

.まち歩きコース

浦安駅→ 旧江戸川蒸気河岸→清龍神社→フラワー通り(懐かしい商店街です)→豊受神社→境川沿い→浦安市郷土博物館(古きよき漁師町を再現しています)→浦安駅

 ※お詫び 当初、浦安魚市場に立ち寄る予定でしたが午前10時過ぎではほとんどの店が閉まってしまっているということからコースを変更しました。

.昼食

(1)お店 「カフェレストランすてんぱる」(浦安市郷土博物館1)

(2) 浦安の郷土料理「あさりめし」セット 1,100円(各自負担) ※ジョッキのビールもあります。

5.参加費・参加申し込み

(1)参加費 1.300(ボランティアガイド資料代200円+昼食代「あさりめし」セット 1.100)

(2)参加申し込み期限

■ 4月14()までに申し込みください

※「あさりめし」セットが事前予約のためです。なお、それ以降の昼食のキャンセルはキャンセル料金がかかります(800)

(3)申し込み先

 ■ 室地宛てメールまたは電話 メール murochi-t@nifty.com 電話 080-5403-2485