2019年2月20日水曜日

現代都市政策研究会2019年1月例会感想


「地域包括ケアシステムをどう構築するか」を聞いて

H.     S.


多死社会。若者や働き手の不足。

漠然とした不安がありながら、制度の不備を訴えるだけでは住民生活を本音で守れない。

石川さんは、地域包括ケアシステムの構築という全国共通の課題から、秦野市の課題を自ら抽出した。自治体職員ならではだと思う。

「地域共生社会の実現には、総合相談➡居住支援➡就労支援とそれぞれステップを踏んで行かなければならない。議論だけしても始まらない。いまや秦野市では特別養護老人ホームを作っても職員がいない。介護人材が不足しているのだ。これからは、空き家などを利用して、サ高住に近いものをつくらなければならない。サ高住は値段が高いところが多くて、そのまま秦野市の高齢者には利用できない。そして、地域で元気、健康を維持するための就労が大事になる。シルバー人材センターなど今の態勢では十分でない」。こうした言葉の一つひとつが、悩み、実践してきたことから出ている。

例えば、国が示した介護予防生活支援総合事業のうちの介護予防ケアマネジメント分野では、訪問型サービスB(住民主体)とサービスD(移動支援)を併せ、移動する先での住民主体サービスという実践的な組み合わせで成果を挙げている。こうした個別の解がなければ、その地域は生き残れない。国の図式では、これこれというのでは、いろいろな部分が進まなくなっている。BプラスDには全国から視察や照会が来るそうだ。

やってみると、社会福祉法人やNPOに委託した移動サービスのうちにも、車に乗っているときにお喋りするという効果があることが分かった。そこでの情報提供がまた利用者に具体的に役立つし安心感を与える。

石川さんは、こんな例を増やして、認定率を最終的に現状の13.5%から10%以下にしたいという目標を持っている。これらの改革や連携によって、総合事業全体で平成30年度から平成37年度の累計で(何もやらない時に比べて)10億円以上の削減効果を得たいとしている。

これはとても野心的だし、同時に具体的だ。野心的というのは、総合事業には今のままでは、権利と言ってずっと使い続ける人がいる。これでは、専門職やプロのマンパワーが困っている当事者に提供できなくなる。そうした危機に石川さんなりの答え、地域で互い支えあう具体的な答えを出していることだ。住民同士がみんなで支え合う。例えば、買い物クラブ(モデル事業)では公用ワゴン車を貸し出し地域の人が運転してスーパーマーケットまで連れていった。私が感心したことは利用者に「80歳過ぎてもお化粧して買い物に来ているんだよ」という声があったことだ。これは、困ったから助けるという給付の考えや仕組みではなくて、人間の尊厳を守る取り組みなのではないだろうか。

また、モデル後の展開のために、移送支援の担い手養成では国土交通大臣認定講習に加え市独自の地域支えあいをテーマにグループワークを実施している。70歳前後の男性が受講しているそうだ。善意よりも具体的な解を示すことが大事なのだ。

また、石川さんは、大田区の沢登さんが始めた見守りキーホルダーの改良版を実施した。さらに、見守りでは緊急通報事業として、従来内臓疾患のある一人暮らし高齢者が対象だったのを、お金(月1750円)を取って全高齢者へ拡大した。また、今年1月からはオプション(月500円)で携帯電話でも対応可能にし、センサーを導入した。これは、人数を増やして単価を下げるという考えだが、私はみんなが利用できるユニバーサルサービスの実践だと考えたい。

高齢者が増えて、担い手が減る。だから、大変だというのではなく、高齢者も含め全員がよくなるためにはどうするかの絵柄を一生懸命に考えてのことだ。

この他にも、市民協働型買い物支援事業(案)では、買い物支援団体を自治会単位でいろいろ作り、車の確保を含めて地域でやろうとしている。

石川さんのバイタリティに驚いたし、また地域づくりはこうしてするのだということを福祉面から教えられる報告だった。

石川さんに改めて感謝します。

現代都市政策研究会2019年1月例会感想


「地域包括ケアシステムをどう構築するか」を聞いて

H.     S.


多死社会。若者や働き手の不足。

漠然とした不安がありながら、制度の不備を訴えるだけでは住民生活を本音で守れない。

石川さんは、地域包括ケアシステムの構築という全国共通の課題から、秦野市の課題を自ら抽出した。自治体職員ならではだと思う。

「地域共生社会の実現には、総合相談➡居住支援➡就労支援とそれぞれステップを踏んで行かなければならない。議論だけしても始まらない。いまや秦野市では特別養護老人ホームを作っても職員がいない。介護人材が不足しているのだ。これからは、空き家などを利用して、サ高住に近いものをつくらなければならない。サ高住は値段が高いところが多くて、そのまま秦野市の高齢者には利用できない。そして、地域で元気、健康を維持するための就労が大事になる。シルバー人材センターなど今の態勢では十分でない」。こうした言葉の一つひとつが、悩み、実践してきたことから出ている。

例えば、国が示した介護予防生活支援総合事業のうちの介護予防ケアマネジメント分野では、訪問型サービスB(住民主体)とサービスD(移動支援)を併せ、移動する先での住民主体サービスという実践的な組み合わせで成果を挙げている。こうした個別の解がなければ、その地域は生き残れない。国の図式では、これこれというのでは、いろいろな部分が進まなくなっている。BプラスDには全国から視察や照会が来るそうだ。

やってみると、社会福祉法人やNPOに委託した移動サービスのうちにも、車に乗っているときにお喋りするという効果があることが分かった。そこでの情報提供がまた利用者に具体的に役立つし安心感を与える。

石川さんは、こんな例を増やして、認定率を最終的に現状の13.5%から10%以下にしたいという目標を持っている。これらの改革や連携によって、総合事業全体で平成30年度から平成37年度の累計で(何もやらない時に比べて)10億円以上の削減効果を得たいとしている。

これはとても野心的だし、同時に具体的だ。野心的というのは、総合事業には今のままでは、権利と言ってずっと使い続ける人がいる。これでは、専門職やプロのマンパワーが困っている当事者に提供できなくなる。そうした危機に石川さんなりの答え、地域で互い支えあう具体的な答えを出していることだ。住民同士がみんなで支え合う。例えば、買い物クラブ(モデル事業)では公用ワゴン車を貸し出し地域の人が運転してスーパーマーケットまで連れていった。私が感心したことは利用者に「80歳過ぎてもお化粧して買い物に来ているんだよ」という声があったことだ。これは、困ったから助けるという給付の考えや仕組みではなくて、人間の尊厳を守る取り組みなのではないだろうか。

また、モデル後の展開のために、移送支援の担い手養成では国土交通大臣認定講習に加え市独自の地域支えあいをテーマにグループワークを実施している。70歳前後の男性が受講しているそうだ。善意よりも具体的な解を示すことが大事なのだ。

また、石川さんは、大田区の沢登さんが始めた見守りキーホルダーの改良版を実施した。さらに、見守りでは緊急通報事業として、従来内臓疾患のある一人暮らし高齢者が対象だったのを、お金(月1750円)を取って全高齢者へ拡大した。また、今年1月からはオプション(月500円)で携帯電話でも対応可能にし、センサーを導入した。これは、人数を増やして単価を下げるという考えだが、私はみんなが利用できるユニバーサルサービスの実践だと考えたい。

高齢者が増えて、担い手が減る。だから、大変だというのではなく、高齢者も含め全員がよくなるためにはどうするかの絵柄を一生懸命に考えてのことだ。

この他にも、市民協働型買い物支援事業(案)では、買い物支援団体を自治会単位でいろいろ作り、車の確保を含めて地域でやろうとしている。

石川さんのバイタリティに驚いたし、また地域づくりはこうしてするのだということを福祉面から教えられる報告だった。

石川さんに改めて感謝します。

2019年1月20日日曜日

現代都市政策研究会2019年1月例会案内




テーマ「地域包括ケアシステムをどう構築するか

~介護予防・日常生活支援総合事業の現状と課題~」



講師 石川貴美子氏(秦野市福祉部高齢介護課担当課長(兼)課長代理) 

2015年の介護保険制度改正は、介護保険の現場では大きな出来事でした。介護保険の要支援1,2の方が利用するヘルパーとデイサービスは介護予防・日常生活支援総合事業(以下、「総合事業」)への移行することとなりました。その他にも「在宅医療・介護連携推進事業」や「生活支援体制整備事業」などの新規事業の立ち上げなど、今も悪戦苦闘の連続です。

これらの取り組みは2025年問題を見越してのものであり、事業を立ち上げただけでは解決できるものではありません。「地域包括ケアシステム」の構築に向けて、自助、互助、共助、公助の仕組みをつくることや、地域ニーズに対応した生活支援サービスや住まいの問題はいかに解決すべきか。

今後は、世代を超えた「地域共生社会」を目指すよう言われておりますが、超高齢社会はさらに進み、担い手不足は深刻な状況です。「今やるべきことは、ちゃんとできているのであろうか…」このような不安を抱えながらも無我夢中で取り組んできたこと、また、立ち止まり、振り返りながら考えたこと、今後取り組もうと思っていることなど、お話させていただきたいと思います。(石川貴美子) 

1.日時 2019年1月27日(日)午後2時から午後4時30分

 2.場所 三鷹市市民協働センター1階ミーティングルーム

(三鷹駅南口から徒歩15分程度のところにあります。)

いつもの三鷹駅前コミュニテーセンターとは異なりますのでお間違いないようにして下さい。

現代都市政策研究会2019年1月例会案内




テーマ「地域包括ケアシステムをどう構築するか

~介護予防・日常生活支援総合事業の現状と課題~」



講師 石川貴美子氏(秦野市福祉部高齢介護課担当課長(兼)課長代理) 

2015年の介護保険制度改正は、介護保険の現場では大きな出来事でした。介護保険の要支援1,2の方が利用するヘルパーとデイサービスは介護予防・日常生活支援総合事業(以下、「総合事業」)への移行することとなりました。その他にも「在宅医療・介護連携推進事業」や「生活支援体制整備事業」などの新規事業の立ち上げなど、今も悪戦苦闘の連続です。

これらの取り組みは2025年問題を見越してのものであり、事業を立ち上げただけでは解決できるものではありません。「地域包括ケアシステム」の構築に向けて、自助、互助、共助、公助の仕組みをつくることや、地域ニーズに対応した生活支援サービスや住まいの問題はいかに解決すべきか。

今後は、世代を超えた「地域共生社会」を目指すよう言われておりますが、超高齢社会はさらに進み、担い手不足は深刻な状況です。「今やるべきことは、ちゃんとできているのであろうか…」このような不安を抱えながらも無我夢中で取り組んできたこと、また、立ち止まり、振り返りながら考えたこと、今後取り組もうと思っていることなど、お話させていただきたいと思います。(石川貴美子) 

1.日時 2019年1月27日(日)午後2時から午後4時30分

 2.場所 三鷹市市民協働センター1階ミーティングルーム

(三鷹駅南口から徒歩15分程度のところにあります。)

いつもの三鷹駅前コミュニテーセンターとは異なりますのでお間違いないようにして下さい。

現代都市政策研究会2018年12月例会感想


「エネルギー問題の現状と課題~なぜ、地域からガソリンスタンドが消えていくのか~」”を聞いて



K.    S.
 JXTGエネルギー勤務の平田泰之さんから上記テーマについて話をしていただいた。話の要点は、①過疎地においてガソリンスタンドが消滅している背景は何か、②ガソリンスタンドの消滅が地域社会に及ぼす影響は何か、③ガソリンスタンドの消滅に対し当該地域においてはどのような対策を講じているか等である。

 ガソリンスタンドの消滅は大都市地域に生活する人達には実感を伴わないことかもしれない。しかし、過疎地出身の私としては、このような事例は幾つも耳にしており決して他人事とは思っておらず、切実さを感じている。

事業者の立場からすれば、ガソリンスタンドの経営は営利事業として行われおり、利益が出なければ撤退するのは当然のことである。このため当該地域においては、地域住民の生活を維持するため、地域が主体となって対策を講じていくことが何よりも重要である。「地域の諸問題・課題は地域の人達が汗をかいて対処する」。これは自治の原点とも言え、こうした認識を欠くならば地域の無為無策を示すものである。地域社会の力量が問われる課題と言っても決して過言ではない。

地域からのガソリンスタンドの消滅は、過疎地が直面する現状の一つの側面であり、全てではない。過疎地が直面する現状と課題を理解しておくことは、当研究会としても意義あることと思われる。機会をとらえて過疎地を訪ね、地元の人達と意見交換を行ってみてはいかがでしょうか。

現代都市政策研究会2018年12月例会感想


「エネルギー問題の現状と課題~なぜ、地域からガソリンスタンドが消えていくのか~」”を聞いて



K.    S.
 JXTGエネルギー勤務の平田泰之さんから上記テーマについて話をしていただいた。話の要点は、①過疎地においてガソリンスタンドが消滅している背景は何か、②ガソリンスタンドの消滅が地域社会に及ぼす影響は何か、③ガソリンスタンドの消滅に対し当該地域においてはどのような対策を講じているか等である。

 ガソリンスタンドの消滅は大都市地域に生活する人達には実感を伴わないことかもしれない。しかし、過疎地出身の私としては、このような事例は幾つも耳にしており決して他人事とは思っておらず、切実さを感じている。

事業者の立場からすれば、ガソリンスタンドの経営は営利事業として行われおり、利益が出なければ撤退するのは当然のことである。このため当該地域においては、地域住民の生活を維持するため、地域が主体となって対策を講じていくことが何よりも重要である。「地域の諸問題・課題は地域の人達が汗をかいて対処する」。これは自治の原点とも言え、こうした認識を欠くならば地域の無為無策を示すものである。地域社会の力量が問われる課題と言っても決して過言ではない。

地域からのガソリンスタンドの消滅は、過疎地が直面する現状の一つの側面であり、全てではない。過疎地が直面する現状と課題を理解しておくことは、当研究会としても意義あることと思われる。機会をとらえて過疎地を訪ね、地元の人達と意見交換を行ってみてはいかがでしょうか。

2018年12月1日土曜日

現代都市政策研究会2018年12月例会案内


テーマ「エネルギー問題の現状と課題~なぜ、地域からガソリンスタンドが消えていくのか~」

講師   平田 泰之氏(JXTGエネルギー株式会社)



災害時、水の次に不足して困るものは『ガソリン』であると言われています。東日大震災以降、災害時のサービスステーション(SS・ガソリンスタンド)の役割は一層注目されるようになってきました。しかし資源エネルギー庁等が取りまとめた『SS過疎地対策ハンドブック』によれば、およそ300の自治体が SS過疎地であると定義されており、それらの自治体では様々な問題が懸念されています。
例会では、昨今のエネルギーを取り巻く世界的な環境とそれが日本に与える影響を踏まえ、日本における石油事業の環境や、なぜSSが過疎化するのか・その解決策としてどのような事例があるのかについてお話ししたいと考えています。そしてSS過疎地対策の事例を通じて、集落地域の生活を支える新しい地域運営の仕組みを作ろうとする取組みである「小さな拠点」づくりにSSがどのように寄与できるかについて考えていきます。

(平田泰之)