2016年2月14日日曜日

現代都市政策研究会2016年1月例会感想


(2016年1月会感想)


「ユニバーサル就労を考える」を受講して
                                                                                                          T.     S.

ユニバーサル就労ということばは今回初めて耳にしました。レジュメでは「はたらきたいのに、はたらきにくいすべての人」が働けるような仕組みを作ると同時に、誰にとっても働きやすく、働きがいのある職場環境づくりを目指していく取り組みとのことです。

障害者手帳の有無に関わらず、様々な理由で働きづらい状態にある人を迎え入れ、ともに働くことを目指していくとのことです。具体的には発達障害など精神的な理由、身体障害など身体的・知的な理由、ニート・引きこもりや高齢など社会的な理由で働きづらい状態が想定されています。

そこで働きづらさの障壁を乗り越える手段として報酬や就労形態を種別化し、コミューターという働き方を提唱しています。働き方の段階として無償コミューター→有償コミューター→最賃保障職員→一般賃金職員に分かれます。コミューターというのは「継続的に通う人」という意味で、一般就労に向けたトレーニングをしている状況の人とのことです。一般就労までに到達しなくても、困難を抱える人が居場所や生きがいを得られることになります。

これまで困難な状況に対し、授産施設や作業所など法制度によって活動する場が提供されたり、一般事業所でも障害者手帳取得者の法定雇用率を定めることによって就労の場が確保されていると思っていましたが、ユニバーサル就労により新たな選択肢が加わったと言えるでしょう。雇用契約になると事業者も経営上生産性を求められますがコミューターとして場を提供することであればチャレンジする人を受け入れる敷居が下がり、そうした事業所が広がりを見せていくのでしょう。

現在、生活クラブ風の村のユニバーサル就労は76人おり、そのうち無償・有償コミューターは26人とのことです。今後は様々な外部支援団体などの働きかけにより、働くことをあきらめてしまっている人へのインテークや事業者への動機づけによる受け入れ先の拡大が期待されます。

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