2018年6月3日日曜日

都市研2018年6月例会案内


テーマ「市民の熟議を自治体意思決定に活かせるか~さいたま市・和光市・新宿等の経験から~」

講師     長野 基氏(首都大学東京都市環境科学研究科都市政策科学域准教授)



有力団体の「指定席」でも、作文による審査を経た公募型でもない、住民基本台帳からの無作為抽出と招聘により集った市民の「熟議」を自治体の意思決定に活用しようとする取組みが拡大しています。しかも、“市民の熟議”を「やってみる」から、自治体の意思決定にどれだけ「影響を与える」かが問われる段階に来ているともいえます。

しかし、こうした取り組みを行っては見たものの、実際には「あれは意味があったのか?」と様々な意味で疑問を生じさせる場合も存在するのではないでしょうか。仮に「市民による熟議」を自治体の意思決定に活かそうとしてうまく行かなかったと認識されるのであれば、そこには何らかの原因、あるいはそれを導いてしてしまった構造があるはずです。

今回の企画では、報告者が企画運営に携わった住民基本台帳からの無作為抽出によるメンバーが組織化された事例(埼玉県さいたま市・和光市、東京都新宿区)での質的分析データ、事例関係者へのヒアリング調査データを見ながら、どのようにすれば「市民の熟議を自治体意思決定に活かせるか」を参加者の皆さんと“熟議”しながら考えてゆきたいと思います。(長野 基氏)



1.日時 2018年(平成30年)6月24日()午後2時~午後430

2.場所 三鷹駅前コミュニティセンター4階会議室()

都市研2018年5月例会感想


「悩みが人を成長させる」

H.     S.    

岡田さんから、今日、初めて港湾行政のお話を聞くことができました。

東日本大震災のあと、燃料を節約するために照明の明るさを落として、トンネルの通行を確保したことなど、たんたんとお話しされましたが、ドラマになりそうなことだと思いました。

また、自治体でありながら、港湾は世界とつながっているなと思いました。私たちが日ごろやっている地域の事だけでなく広がりがあります。

その1つは、釜山(プサン)、上海、そしてシンガポールなど世界の有力港湾と競合していること。そして、もう1つには、日本の生産構造の変化に大きく影響されているのだと知りました。

前者では、釜山などは国策としてハブ港の位置をとるためにやっています。それに川崎だけで立ち向かうのは大変だという実感があります。後者はもっと根本的で、日本から海外に生産したものを輸出するという構造は大きく変わってきています。例えば、そうした生産拠点や工場が海外に行ってしまったこともあります。同時に、少子化の進む日本では、以前と同じ商品で生産力を保つのも難しい。

自治体なのにそんなことまで考えてやるというのは悩ましい。でも、岡田さんは港湾部署で楽しい時期を過ごしたと言っています。本当に悩みが人を成長させるのだなと感心しました。

最後に、岡田さんが、これからの日本の人口減少や生産の傾向を考えて、どういう範囲で港湾の仕事を組み立てるかが大事だといったのは、まさに地方分権からの視点だと思いました。国策に振り回されず、地に足のついた議論を聞けてよかったです。


都市研2018年度(平成30年度)総会&5月例会案内


現代都市政策研究会2018年(平成30年)度総会ならびに5月例会開催のご案内

  現代都市政策研究会総会ならびに例会を下記の通り開催いたしますのでご出席下さい。

 ■日時  2018年(平成30年)5月27日(日) 午後1時30分~4時30分

■場所  三鷹市市民協働センター1階ミーテイングルーム  

 ※会場がいつもの三鷹駅前コミセンと異なりますのでご留意ください。

() 2018年(平成30)度総会  午後1時30分~午後2時

 (議題)①都市研40周年記念事業収支報告②2017年(平成29年)度活動報告、2017年(平成29年)度決算報告③2018年(平成30年度)活動計画案、2018年度(平成30年度)予算案④2018年(平成30年)度役員選出等

 () 5月例会  午後2時~午後4時30分

テーマ「港湾行政を考える~川崎市の事例から~」

講師 岡田 実会員(川崎市幸区危機管理担当課長)

 港は、国際貿易において大きな役割を果たしていますが、市民が暮らす市街地から離れていることもあり、なかなか馴染みがありません。地方公共団体においては、都道府県や市、組合が港湾管理者となっていますが、港湾施設整備においては、国が大きな権限や予算を握っています。

 日本が抱える港の現状ですが、貨物輸送がコンテナ船中心となり、コンテナ船の大型化や船会社の統合再編が進むなかで、貿易の中心的役割を担うハブ港の地位をめぐりアジアにおける港間競争が進む中で、国の港湾政策も大きく動いています。

 この間、川崎市港湾局で9年間、京浜港(東京、横浜、川崎)の三港連携の取り組みや京浜港の港湾運営会社の設立に携わってきた経験を踏まえて、日本の港湾をめぐる国際競争・都市間競争の現状や港湾運営をめぐる国と地方公共団体の関係、さらに、港湾管理者としての公共の役割と民間の港湾運営会社の役割などについての考察をまとめ、報告します。(文責 岡田 実)

都市研2018年4月例会感想




浦安の歴史を探る街歩き
                                   K.     S.

 千葉県浦安と聞くと、大方は東京ディズニーランド思う浮かべることでしょう。これは、現在の浦安のイメージであり、私達が訪れたのは過去の浦安を知るためでした。ボランティアガイド・伊藤さんの説明によれば、①浦安は漁業で栄えた漁師町であった、②浦安沖で獲れた魚介類は地元で消費する他は、江戸(東京)へ運搬・販売されていた、③地元の河川(境川)の水は飲料、食器洗い、洗濯等に使用され、文字通り地元と共存して来た、④こうした浦安を大きく変えたのは、1960年代以降の海面埋立事業、地下鉄東西線開通であり、これにより急速に市街地が拡大したとのことである。

 今回、私達が町歩きをしてみると浦安の姿は一変したが、昔を偲ばせる寺社仏閣、家並みは残されていました。また、地元の人とすれ違うと、お互いに挨拶を交わしたり、地元の高齢者の話相手になる等心温まる交流をしました。

 浦安を訪れた際には、東京ディズニーランドだけでなく、市役所庁舎前にある郷土博物館(入場無料)を視察していただきたい。ここでは、漁師町を再現した屋外施設等過去から今日に至る浦安の歴史を一目で知ることが出来る貴重な文化財が数多く展示されています。視察後は、博物館の中で営業しているレストランで郷土料理「あさりめし」(セットで税込1,100円)を食し、浦安の歴史を思い起こしていただきたい。

 最後に、浦安の地名の由来を記しておきます。旧浦安村は、1899年、当時の堀江、猫実、当代島の3つの村が合併して出来たもので「うら(海)安らかでありますように」との思いを込めて名付けられ、漁師町であったことを示すものです。浦安には他から移転して来た新住民が数多くいると思われます。こうした人達は、過去の浦安の姿、歴史をご存じないと思われます。もしそうだとしたら、今回の町歩きは浦安の新住民が知らない地元の歴史等を知る貴重な体験であったと言えます。

2018年4月15日日曜日

現代都市政策研究会2018年4月例会案内


現代都市政策研究会2018年4月例会

まち歩き「浦安、漁師町を歩く」

浦安と言えば、誰でもが思い浮かべるのは、東京ディズニーリゾートをはじめ広大な埋め立て地を想像するかと思います。しかし、浦安は漁師町としての歴史も長く持っています。 昭和46年に漁業権全面放棄後、海面の埋め立てが始まりましたが、かつては、アサリやハマグリの稚貝を木更津など東京湾内の各地に出荷し、成長した貝がまた浦安に集められ出荷されるなど多くの船が係留され魚介類の荷揚げの光景が見られ、賑わったまちでもあります。都市研4月例会では、浦安のボランティアガイドの方にご案内を頂き、古き漁師町の風情を感じてもらいたく、まち歩きを企画しました。そして、まち歩きの最後は浦安の郷土料理「あさりめし」も食べたいと思います。是非、ご参加ください。

 (文責 室地隆彦)



.日時 2018年(平成30年)4月22日() 10:00~13:30頃までを予定 なお、終了後、都市研運営員会を開催し、例会企画等の打ち合わせを行います。

  ※雨天決行

*当日何かありましたら、ご連絡は室地までお願い致します。(080-5403-2485

.集合場所 東京メトロ東西線浦安駅改札口 9:50集合(10:00出発)

.まち歩きコース

浦安駅→ 旧江戸川蒸気河岸→清龍神社→フラワー通り(懐かしい商店街です)→豊受神社→境川沿い→浦安市郷土博物館(古きよき漁師町を再現しています)→浦安駅

 ※お詫び 当初、浦安魚市場に立ち寄る予定でしたが午前10時過ぎではほとんどの店が閉まってしまっているということからコースを変更しました。

.昼食

(1)お店 「カフェレストランすてんぱる」(浦安市郷土博物館1)

(2) 浦安の郷土料理「あさりめし」セット 1,100円(各自負担) ※ジョッキのビールもあります。

5.参加費・参加申し込み

(1)参加費 1.300(ボランティアガイド資料代200円+昼食代「あさりめし」セット 1.100)

(2)参加申し込み期限

■ 4月14()までに申し込みください

※「あさりめし」セットが事前予約のためです。なお、それ以降の昼食のキャンセルはキャンセル料金がかかります(800)

(3)申し込み先

 ■ 室地宛てメールまたは電話 メール murochi-t@nifty.com 電話 080-5403-2485

現代都市政策研究会2018年2月例会感想


首都直下型地震に備える~大都市における災害時要配慮者対策のこれから~」

を聞いて
                                                                                                                                             T.       S. 

今回、跡見学園女子大学観光コミュニティ学部及び(一社)福祉防災コミュニティ協会代表理事の鍵屋先生より被災時の要配慮者対策に関するお話を伺いました。

最初に印象的だったのが、先生の故郷である秋田県のなまはげが、実は、津波から人々を守るためのものであったというものです。秋田県男鹿市は定期的に津波が来る地域ですが、地元の消防団員が扮するなまはげが「怠け者」を探し回る行事の過程で、自然と住民の家族のことを知ることができ、要配慮者の情報が把握できる仕組みになっているのだとか。災害の多い地域の知恵として、伝統行事に防災が活かされているという事例で、とても面白いお話でした。

 さて、今回は、過去の災害時の被害状況、福祉防災計画、自助・共助、福祉避難所等の様々なお話を伺わせていただきましたが、その中で私の職務にも関わるものとして、特に興味を持ったお話を2つ挙げさせていただきます。

まず、1つ目が要配慮者名簿の作成です。現在、私は法務の傍らで個人情報保護を所管していますが、要配慮者名簿について記憶に新しいのが、平成25年の災害対策基本法の改正です。これにより、「避難行動要支援者本人の同意を得たうえでの平常時の消防機関及び民生委員等への情報提供」及び「災害発生時の本人の相違の有無に関わらない名簿情報の避難支援等関係者への情報提供」が可能になりました。あくまで「個人情報」という観点から見ると、年々その取扱いがとても厳しくなる中で、この改正によって必要時に個人情報を提供することが可能となったことは、大きな意義があったと思います。

しかし、今回さらに踏み込んで知ったことが、「平常時の情報提供において本人の同意が得られない場合は自治体の条例等に委ねられている」等、まだまだ課題があるということです。とりわけ、市区町村においては、住民の最も根幹となる基本情報(戸籍等)を保有しているという性質があることからか、個人情報保護に対する考え方が特に慎重であると感じています。個人情報の提供については、国の法律による仕組みとしてトップダウン的に進めなければ、個々の自治体はなかなか踏み切れないのではないかと今の私は考えています。ただし、住民のプライバシーは保障されるべきものでもあるので、自治体がどこまで住民に踏み込むものなのかは、これからも議論され続ける永遠の課題なのかもしれません。

 2つ目は、介護保険ケアプランへの災害時対応の位置づけについてです。私は3年前まで介護保険課で事業者指導の仕事をしており、ケアプランを見る機会も多かったのですが、当時、ケアプランに災害時対応を位置づけるという発想は全くありませんでした。というのも、ケアプランは基準で定められる必須項目(サービス期間、サービス種別、援助内容等)が多く、国の示す標準様式を使用することになるため、介護サービスを超えたところまで視野が行き届きませんでした。また、ケアマネジャーは利用者宅への訪問、書類作成、そしてサービス担当者会議の開催と多忙なため、基準で決められた以上のことをするのは、なかなかの負担です。とはいえ、ケアプランは要介護者(要支援者)の日常生活の記録であるので、災害時対応についても盛り込むことはとても有効だと思います。

ですから、この点については、行政の方からもある程度の支援をすることが必要であると考えます。そのためには、行政側の防災部門と福祉部門が連携し、それぞれのサービスの流れを捉えた上で、例えば、福祉避難所マップを要介護認定申請時にケアマネジャーにお渡しするとか、ケアマネジャー向けの研修においてケアプランにおける位置づけの方法(特記事項欄の活用等)をレクチャーする等の取組みを行い、少しでもケアマネジャーの負担軽減に努める必要があると思うのです。

 さいごに、今回のお話を聞いて、改めて近い将来起こりうる首都直下型地震の恐ろしさと自分の無知さ及び無防備さを実感しました。災害が発生した場合、思わず避難所に避難してしまいそうですが、収容人数に限りがある中で専門的な支援を必要とする要支援者の優先度を考慮すると、在宅避難を選択することも状況に応じて大事なのだと知りました。また、災害時に誰かの助けになるためには、まず自分とその家族を守る必要もあるので、私もさっそく3日分の水と食料を買い込んだところです。講義終盤に、先生からも日頃のご近所付き合いや良い人間関係が防災には大切だとお話いただきましたが、物資だけでなく、人とのつながりを醸成することが、地震の多い日本社会に求められることなのかもしれません。

現代都市政策研究会2018年2月例会案内


現代都市政策研究会2018年2月例会

テーマ「首都大地震に備える~大都市における災害時要支援者対策のこれから~」

講師 鍵屋 一氏(跡見学園女子大学観光コミユニティ学部コミュニティデザイン学科教授)

地域コミュニティが希薄化し、何気ない日常の見守りも機能しない中で、各自治体で検討している要援護者対策が十分機能するのだろうか。特に大都市における災害要援護者対策が機能するためにはどのようなことが必要なのか、どのような対策の積み上げか功を奏するのか。とりわけ、福祉避難所については、練馬区においても簡単なマニュアルはあるものの災害時にどのような役割や機能を果たし、どのように運営するのかなど福祉避難所に指定された施設職員も含め共通認識が持てているかは心もとないところです。

鍵屋さんはもともと板橋区の防災課長をされていました。現在は大学の教授を務め、内閣府地区防災計画アドバイザリーボード委員、内閣府災害時要援護者の福祉と防災との連携に関する検討会委員をはじめ一般財団法人福祉防災コミュニティ協会代表理事、NPO法人東京いのちのポータルサイト副理事長、災害福祉広域支援ネットワークサンダーバード理事など様々な防災関係団体の役員等を歴任されています。「すべての福祉施設に福祉防災計画を!」を合言葉に防災伝道師としても精力的に活躍されています。2月例会では現場のことも熟知されている鍵屋さんにお話を伺います。(文責 室地隆彦)

1.日時 2018年(平成30年)3月4日()午後2時~午後430

2.場所 三鷹駅前コミュニティセンター4階会議室(1)