2018年7月28日土曜日

現代都市政策研究会2018年6月例会感想


ランダムサンプリング

M.  O. 



  都市研6月例会のテーマはランダムサンプリング。三鷹発の新しい市民参加の手法として実験的に導入されたものだ。三鷹JCの吉田さんが大規模ワークショップの計画つくりの次の一手として行政に話をもちかけ、当時の市長、副市長がその話にのったのだ。

  三鷹の市民参加の手法はコミュニティカルテ、まちづくりプラン、まちづくり懇談会、まちづくり市民会議と大規模ワークショップと続いたが、問題の本質は市民の要望を受け止められたのかという点にある。市民参加を制度として機能させるため、目新しさと「市民はすばらしい」という幻想を用意したのではないか。あるいは実は行政の名誉作りだったのかも知れない。

  結果としては、「こどもの安全」のような大きなテーマで差しさわりのない協議を年に1回実施しており、熟議とは程遠い状況が続いている。多層な市民参加の手法の一つとして、多くの自治体がトライし、工夫をしてほしい手法ではあるが大切なことはそれを生かす行政の姿勢だ。

  長野先生は自治体学会編集部会で一緒に学会誌作成を手がけていた好人物で若くてこれからの学者だ。是非この手法をほんものの市民参加として全国に広め、サイレントマジョリティも参加する行政へと改善を進めてほしい。

  市民はすばらしいのではない。市民は主人公であり、評価すべき対象ではないことは付言しておきたい。特定の地域の市民がすばらしいのではないからだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿